みなさん、こんにちは☆
今回は、これから期待の歯科治療《再生》についてお話しさせていただきます。
なくなってしまったものの再生から、いらなくなったものの再利用、立体的な除菌まで、少し前では考えられないような技術が登場しています。
名前は『リグロス』。
・日本で開発された新薬が再生療法に登場しました。
歯周病が進行すると、プラーク(歯垢。歯周病菌を含む細菌の塊)による炎症で、歯ぐきや歯槽骨といった歯を支える「歯周組織」が次々に破壊されていきます。歯ぐきを切開して歯の根元部分を徹底的に清掃する「フラップ手術」で奥深くにあるプラークや歯石を除去すれば、歯ぐき周辺の炎症を改善させることは可能です。
しかし、一度溶けてしまった歯槽骨は戻せないため、再生させる治療が必要になります。
2016年12月、「リグロス」という、歯周組織再生剤が発売されました。
現在、このリグロスを使用した再生療法が健康保険で受けられるようになつています。
治療は局所麻酔を使った1時間ほどの外科処置です。
フラップ手術の手順で歯ぐきを切開し、露出した歯根の表面を十分に清掃したうえで、歯槽骨が溶けた部分にどろりとしたゲル状のリグロスを塗ります。
その後、歯ぐきを元通りに縫合し、9ヶ月ほど待ってからX線で骨の再生を確認します。
・床ずれの薬が発端、強力な骨再生効果
リグロスの主成分は人間由来のたんぱく質を人工的に生産したFGF−2です。
FGF−2は、体の中で傷を治す時などに放出される成長因子です。
1990年代から再生を促す作用が着目され、当初は皮膚に出来る褥瘡(床ずれ)など治りにくい傷の治療薬として開発が進められました。
その後、骨の再生にも効果があるとわかり、日本で歯周組織の再生治療用にに実用化する研究が進められてきたのです。
FGF−2には骨の細胞、線維芽細胞、セメント芽細胞を活性化して、骨や結合組織、セメント質の再生を促す働きがあります。
細胞が増えていくように応援するだけではなく、盛んに新しい血管を作って、破壊された歯周組織へと栄養を送り込み、より早く再生させる力もあります。こうした一つひとつの薬理作用は明確に証明されています。
しかし、日本では開発の前例がない薬剤だけに、10年以上にわたって歯周組織再生剤としての安全性と有効性が確認されてきました。
全国の歯学大学病院で実施された大規模な臨床治験によると、投与後9ヶ月で歯槽骨の再生率は、フラップ手術だけのグループでは平均21.6パーセントに対して、リグロスを用いたグループは平均37.1パーセントと差をつけて回復したことが確認されています。
歯周病はまれな病気ではなく、たくさんの人がかかる国民病です。
今回、そういった病気に使われるリグロスに健康保険が適応されて費用面での負担が軽くなり、より多くの人が治療を受けられるようになる意味は極めて大きいと感じます。
つしまファミリー歯科でも、このリグロスを使った再生療法を行っております。
しかし、すべての患者さまに対して対応出来るものではありません。
患者さまの口腔内の状況を診査診断させていただいて、適応であれば行います。
2017年5月開業 津島市のやさしい歯医者つしまファミリー歯科へ
TEL0567−26−4335