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Column

お口の健康コラム

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妊娠と妊婦の歯の健康☆

愛知県津島市の歯医者、つしまファミリー歯科の安藤です。

妊婦さんと歯科医院のお話をさせていただきます。

妊娠しているとは気付かないで、歯医者に通っていた、というように、妊娠していても平気で歯医者の治療を受けている人は多くいらっしゃいます。

また、産婦人科にかかっている妊婦さんでも歯科的な苦痛を産婦人科医に訴える人も多くいらっしゃいます。

このように、歯科的な疾患をかかえている妊婦さんは多いのですが、何の心配もなく歯医者の治療を受けている人、おそるおそる治療を受けてはいるが、なにかしら不安を抱えている人、また、不安を抱きながら歯医者の門をたたかないで、じっと痛みをこらえている人とさまざまです。

この不安というのは、当然のことですが、歯科的な疾患に対する治療が原因でおなかの子供に何か変なことが起こりはしないかという心配だと思います。

また、治療されている内容がわからないということからくる心配もあると思います。

これから生まれてくる新しい生命、ましてや自分の子供です。

五体満足で元気にと願うことは防衛本能として当然のことです。

妊婦さんによって肉体的、精神的に変化が生ずることも当然です。

異常に神経質になることもあります。

歯を削るタービンエンジンの音が聞こえただけでも逃げ出したくなる人もいるくらいです。

つしまファミリー歯科ではそのような気持ちをしっかりと汲み取り、最善の方法を相談しながら決めていくことにしています。

悩みを一人でかかえないで、まずは安心して相談してください。

また、妊娠すると、赤ちゃんにカルシウムを取られて歯がもろくなるという言葉を聞いたことがありますが、妊娠すること自体が歯をもろくすることはありません。

昔は、妊娠、出産を繰り返すうちに歯の健康を損なってしまう方が多かったため、「〜子を得ればー歯を失う」=「赤ちゃんにカルシウムを取られて歯がもろくなる」と言われていたようですが、この説には根拠がなく、妊娠すること自体が歯をもろくするようなことはありません。

予防、毎日の管理(ブラッシングやフロスなど)が大事ということです。

毎日の歯磨き、そして定期検診をしっかり受けましょう☆

 

また、妊娠期の栄養摂取と虫歯、そしてその予防についてもお話させていただきます。

・妊娠期の栄養摂取

赤ちゃん(胎児)の発育には多くの栄養素(タンパク質、カルシウム、マグネシウム、鉄分、葉酸、食物繊維、各種ビタミンなど)が必要とされ、これらの栄養素は母体から供給されます。

通常は、妊婦さんが食事により摂取した栄養素が血液中に吸収され、それが子宮まで運搬されて、胎児の発育のために使われますが、つわりによる食欲不振や食生活の乱れ(偏食、少食など)により、血液中の栄養素が不足すると、母体に蓄えられていた栄養素が補足的に使われることになります。

そのため、血液中のカルシウムの量が不足した場合には、それらを補うために、母体からカルシウムが提供され、一時的に骨量の減少がみられることもあります。

しかし、胎児の発育のために母体からカルシウムが溶出して使われることはありません。

骨は一時的に減少しても、細胞の働きによって再び新生されますが(骨代謝)、歯にはこのような代謝機能が備わっていません。

・妊娠期の虫歯(う蝕)と、その予防

母体の歯のカルシウムが、直接的に胎児に提供されることはありませんが、妊娠期は歯が溶けやすくなる(脱灰しやすくなる)というのは事実です。これは主に、

①つわりによる嘔吐や胃酸の逆流と、それに伴う口腔内の酸性化

②食事回数の増加による食べカスの増加

③つわりによる歯磨き困難

などが原因で、口腔環境が不良となるためです。

基本的に、歯を失う主な原因は「う蝕」と「歯周病」であり、これらはいずれも口腔内に定着した細菌によって生じる感染症です。

妊婦の酸性化として食渣の残りやすい口腔内は、う蝕の原因菌(ミュータンス菌)や歯周病原細菌によっては好環境であるため、もし、妊娠期に急激な歯の異常を認めた場合は、上記に挙げたような要因で口腔環境が不良になった結果、歯が脱灰してしまったが、何らかの口腔疾患に罹ってしまった可能性が高いでしょう。つまり、昔は「ー子を得ればー歯を失う」ことが多かった本当の理由とは、”赤ちゃんにカルシウムを取られて歯がもろくなるなら”ではなく、”妊娠期は口腔環境が不良になりやすく、口腔疾患に罹りやすいから”であると考えられます。

食生活に気をつけて必要な栄養素をバランスよく摂取することや、歯磨きをしっかり行って口腔内を清潔に保つこと(プラークコントロール)に気をつけていれば、歯を失うような結果を招くことにはならないでしょう。

最近は、口腔の健康に関心の高い女性が多くなっています。

また、妊娠期にも「つわりで辛いけれど、頑張って歯磨きをしています」「うがいだけでも、こまみにするよう期をつけています」と、意識的に口腔ケアに取り組む妊婦が増えてきており、昔のように、妊娠、出産をきっかけに歯がボロボロになってしまうような方は、最近ではほとんど見られなくなりました。

とにかく、ここでも一番大事なのは、《細菌除去》です☆

2017年5月開業 津島市のやさしい歯医者(歯科、歯科医院)

つしまファミリー歯科へ

TEL0567−26−4335

皆様のご来院をスタッフ一同、笑顔でお待ちしています☆

 

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